「歯周病治療におけるプロービング検査(歯周ポケット検査)の重要性について」

初診時に治療計画のカウンセリングをしていて驚くのは、歯周病治療におけるプロービング検査(歯周ポケット検査)について知っていたり、きちんと説明された記憶のある患者さんが極めて少ないことです。臨床実感では、1%もいないのではないでしょうか。

この検査は、もう10年以上前から、歯石をとる前には必ずしなくてはならない保険治療の約束事なのですが、これについて、きちんと知らされていないようです。
歯石をとってもらったことがある人は多数いるのですが、検査については知らないのです。

歯周病は、歯と歯茎のすきまに歯周病原菌がついて、LPSなどの毒素を出すことにより、歯周ポケットが出来、それがだんだん深くなる事により歯を支えている組織が徐々に失われる病気です。
いったん歯周ポケットができてしまうと、その中のお掃除は歯科医院でしか行えないため、ホームケアだけでは限界があります。

そして、歯を支えている骨や歯周組織が破壊されるのは、歯周ポケットからにいる細菌がだす毒素や化学物質によるため、歯周ポケットの中をきれいにしなければ歯周病の治療とはいえないわけです。

ところが患者さんの多くは、目に見える歯茎の上の部分の歯石や汚れを取ってもらえばよいと思っているのです。
それでは、歯石などをとる器械(超音波スケーラー)をやみくもに歯茎の中、つまり、歯周ポケットに突っ込めばよいかというと、2mm以内の歯周ポケット(正確には、歯肉溝)に道具を入れると、逆に、歯を支えている歯周組織が破壊されることがわかっています。

従って、手用器具または器械で歯石をとる前に、歯肉の中に道具を突っ込んでいい場所とそうでない場所を最低限検査する必要があるのです。
この検査では、歯周組織を傷つけないように、プローブという先端の丸いものさしを使って、歯周ポケットの深さやそこからの出血(BOPといいます)、歯の動揺度、プラーク付着状態などを検査します。