歯科医療に関する費用について、みなさんはどのようなイメージがありますか?

「治療費の内訳がわからない」、「高い」といったイメージがあるのではないでしょうか。

日本の保険医療制度は欠点もありますが、総じて世界に誇る医療制度です。

いつでも、どこでも同一の医療が安心して受けられるのは大きな利点です。

しかし少子高齢化に伴う医療費の増大のため、ひとつひとつの医療行為に割り当てられた保険点数はかなり低く抑えられています。

また、歯科医療費は、元々つめものやかぶせものなど「もの」に対する評価が中心で検査や、技術に対する評価が低いのが特徴です。(ここ10数年は、定期管理にも重点がおかれています)

日本と海外の歯科治療費比較

ご覧のように日本の治療単価は、海外に比べかなり低いことがお分かりになると思います。

これには、利点もあり、欠点もあります。

利点:アメリカのようにお金のあるなしで本来残せる歯が抜歯になることは、日本の場合まずありません。

欠点:きちんとした検査・説明がなされず修復治療が繰り返され、歯が脆弱化してしまうことがあります。

日本の歯科医療の特徴

日本の歯科医療の特徴

 

また、日本の保険制度は大変複雑なため、患者さんにわかりにくいことが欠点のひとつです。

例えば、同じ処置内容でも金額が違うことがありうるのです。初診か再診か、治療部位・難易度・算定要件などにより、保険点数が違うためです。

また、そうした制度は基本的に2年に1回改正されるため、余計わかりにくくなっています。ご不明な点は、遠慮なく申し出てください。

また、法的にはみなさんが保険証を受付に出した時点で、保険治療のルールにのっとって治療を希望したとみなしてよいことになっています。

当院は、診療において患者さんとよく相談することを大切に考えておりますが、すべての保険のルールを治療前に説明してから治療をすることは事実上不可能なこともご理解ください。

保険治療についての当院の考え方参照

自費補綴物条件付保障制度(10年間)

自費治療保証制度(2003.1.1~)

1. 保証制度の対象

山口將日の行った自費補綴治療(つめ物、かぶせ物、ブリッジ、義歯、インプラントなど)が対象で、予防・矯正・保隙・移植と移植後根治・外科的てい出などの自費治療を除く。

2. 保証内容

山口將日の行った自費補綴治療について不具合が生じた場合、1装置あたりで考え、以下の条件で保証させていただきます。

①保険で修理する場合(義歯に関する不具合の1部やセラミックの破折など)

⇒保険治療で修理し、健康保険の定める負担額を頂きます。(保険対象外)

②簡単な修理では済まず、自費で再治療する場合、当初かかった費用から免責額を引いた額を1装置あたりで保証します。従って、再治療の際のお支払額は、本来の再治療費から保証額を引いたものとなります。

免責について:1年経過ごとに、1装置あたりの治療費の1割免責。10年経過で保証終了

但し、自費補綴治療を行った時点で喫煙者の場合、1年経過でいきなり

3割免責からスタート、8年経過で保証終了。

但し、以下の場合には保証が受けられず、全額治療費がかかりますので、十分ご注意ください。

  • 再治療を保険の範囲で行う場合。(この場合、健康保険の定める負担額を頂きます。)
  • メンテナンス(定期検診)に来ていただけない場合。
    • メンテナンスの間隔は、インプラントの患者さんとそれ以外の患者さんでそれぞれ最大 4ヶ月と6ヶ月なので、前者では年に3回以上、後者では年に2回以上メンテナンスに 来院されないと、それ以降保証制度は受けられなくなります。
  • 取り外しができる形のものを、紛失された場合
  • 取り外しができる形のものを、落下やご自分で調整をして変形させてしまった場合で新規に作り直しが必要な場合。
  • けがや交通事故など、正常な咀嚼運動(食べ物をかみくだく事)以外の外力による不具合。
  • 自費治療以外の部分の不具合を放置したため、自費治療の部分も含めた新規の作り直しを要する場合。

3. インプラントに関する保証の注意

インプラントの場合、インプラント(人工歯根)はインプラントで保証し、うわものの補綴物は 補綴物で1装置ごとに、インプラントとは分けて保証することになります。

4. 実例

インプラントでかぶせ物を5本作り、30万円×5本支払い、6年経過後にそのうちの1本が インプラント周囲炎で抜け、もう1本のゴールド冠が壊れ再治療する場合、前者ではこの歯1本に30万円かかっており、6年経過しているためその免責額は30×6割で18万円。

もともと30万円この歯に払ったので、30-18=12万円が前者の保証額。

後者では、 インプラントは問題なくゴールド冠のみの不具合のため、保証は、補綴物のみで考えることになります。

1本につき払った30万円のうち、ゴールド冠代は9、5万円のため6年経過後の免責額は9、5×6割で5、7万円。

従って保証額は9、5-5、7=3、8万円。
よって合計保証総額は12+3、8=15、8万円となり、再治療に本来かかる金額が40万円だとすれば、この場合お支払い頂くのは、24、2万円だけでよいことになります。

★ご自分の歯を1本でも失わないために、定期検診は、必ずお受けください。