STEP1 初診
1.初診までの準備
1)当院は完全予約制となっております。ご来院の際は、予約をお取りください。
緊急の場合はその限りではありませんが、予約の患者さんが優先となりますので待合室でお待ちいただくことになります。
また、待ち時間のほうも、予約の患者さんのあいまをみての診察となるため、はっきり申し上げられません。
定期検診をベースに診療を行っている当院は、『予約時間を守る』ことを肝に銘じて診療を行っています。
緊急の患者さんを即座に診察するための院内システムとはなっていませんので、ご了承ください。
2)保険証と内服薬の情報(お薬手帳やお薬本体)は、必ずお持ちください。
2.問診表
ご来院頂きましたら、保険証を出し、問診表にご記入ください。
3.啓蒙用ビデオ・小冊子
むし歯・歯周病予防啓蒙ビデオ(17分)をご覧頂くこともあります。また、共同通信に連載された記事をまとめた小冊子を無料で差し上げます。
4.初診コンサルテーション
ご来院のきっかけとなったお口の不具合(主訴)について、お伺いします。その後、当院の治療システム等についてご説明します。
ここで主訴のみの治療か、お口全体を検査し、問題があれば全体的に治療かをご選択頂きます。
お話をお聞きする場所は、診察台でいきなりではなく、プライバシーと話しやすさに配慮し、目線を合わせた個室・半個室となります。
5.初診時検査
① 口腔内規格写真
お口の状態を記録し、治療計画を相談したり、歯ブラシ指導に利用したり、治療結果を比較したりするのに使います。保険3割負担で約150円かかります。顔正面3枚・口腔内13枚が撮影の基本です。
② デジタルレントゲン(10~14枚法+α)
正確で精度の高い診断をするために、お口の中を10~14枚に分けて撮影します。
お口の中と顎関節を1枚で撮影するパノラマ撮影もありますが、細かい診査には不向きです。
日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会では、認定医、専門医の症例診査において10~14枚法しかレントゲンの資料と認めていません。
できるだけ10~14枚法にご協力ください。保険3割負担で約1500円~2000円です。
なお、当院のレントゲン装置は放射線被爆の少ないデジタルレントゲンとなっています。
★妊婦さんなど被曝が心配な方へ
通常のデンタル10枚法でも被爆量は、東京―ニューヨークを飛行機で往復する程度です。
妊婦さんでも飛行機で海外を行き来できるように被爆量は心配ありません。
また、当院のデジタルレントゲンは、通常の1/5程度ですので安心して撮影が受けられます。
③ 歯周病検査
他院で歯石を取ったことがある患者さんに「歯周病検査をしてもらい、きちんと説明を受けたか?」伺うとほとんどが記憶にないとの返事です。
しかし、歯周病治療を保険で行う場合、検査は必ず必要なものになっています。
プローブという歯科用のものさしを使い、歯周ポケットの深さ・ポケット底部からの出血・歯の動揺度・プラークの付着状態などを診査します。
歯科医学的にも、検査と治療は密接不可分のものです。
たとえば、歯周ポケットの深さが2mm以下の部位の歯肉縁下を器具で清掃するとかえって歯周組織を破壊することがわかっています。
治療を効果的にするためにも当院では、精密に歯周検査を行い、みなさまに説明した後、歯周治療に入ります。
④ 歯周病細菌検査
重症歯周病の方や、歯周病の進行が極めて早いと疑われる方には歯周病細菌検査を行っております。
遺伝子検査を利用し、特定の歯周病原菌を定量的に調べるPCR-インベーダー法という検査を行っています。又、抗体価検査も行っています。
欠点としては、保険でカバーされていないため、自費となります。
PCR-インベーダー法(BML社):
⑤ 唾液検査(むし歯)
むし歯のかかりやすさを調べる検査です。ミュータンス菌・ラクトバチラス菌・唾液量・唾液緩衝能を調べます。自費で3000円+税かかります。この検査を受けることにより、あなただけの予防プログラムを作ることができます。なるべく多くの人が、この検査を受けられるように、採算を度外視して金額を設定しています。
むし歯を1本治療して、3000円を超えることも少なくありません。是非、お受けください。
⑥ 食生活アンケート
むし歯や歯周病には、生活習慣病的側面もあります。困ったときには歯医者に行っているのに、だんだん歯が抜けていくということがないようにご協力ください。無料。
⑦ 研究用模型(・咬合器装着)
多くの歯を失い、正常なかみ合わせが失われている方は、上下顎の歯型をとり、必要に応じてそれを咬合器につけ診査します。
STEP2 カウンセリング
1.歯科衛生士によるカウンセリング
どんな治療法を選ぶにせよ、今ある歯が長持ちするのに越したことはありません。そのためにむし歯と歯周病と力のリスクコントロールプログラムを作成し、歯科衛生士が説明します。
リスクコントロールプログラムは、ご家庭でする皆さんご自身がするホームケアと診療所で主に歯科衛生士が行うプロフェッショナルケアに分かれます。カウンセリングでは、以下のことについて相談します。
① ホームケア;患者さん自身が達成可能な目標の設定
② プロフェッショナルケアの目標と方法・回数・期間など
皆さんは、歯のためだけに生きているわけではありません。実行しにくいホームケアが提示された際は、遠慮なく、事情をお話ください。歯科衛生士は、セカンドベストな案を提示してくれるはずです。
みなさんが、やる気になり、実行可能なプログラムを見つけることがこのカウンセリングの目的です。
2.歯科医師によるカウンセリング
治療の仕方が複数ある場合や複雑な問題を抱えている場合は、歯科医師が治療計画を提示し、説明します。それらは書面で提示され、以下の内容を含みます。
複数の治療選択肢とそれぞれの利点欠点・費用・期間・予後
主訴以外の疾病の診断と治療するかの相談
この説明を受け、ひとつひとつ治療をどうするか決めていき、本格的に治療がスタートします。
STEP3 治療
1.治療
むし歯と歯周病が同時にある場合、歯周病の治療をしてからかぶせる治療やブリッジ・入れ歯の治療をするのが保険治療の原則です。歯肉の状態が悪いまま、かぶせる治療をしても精度の高いものはできないためです。
保険治療にはルールがあります。そのルールを守ることでみなさんは、医療費の全額を支払わなくても済んでいます。ご協力下さい。
2.再評価検査
当初予定した治療が全部終了した時点で、どの程度、健康を回復したかを調べるための再評価検査を致します。検査項目は、初診に準じますが、必要のない検査はいたしません。
その検査後、確定的治療として、インプラント治療や歯周外科治療、矯正治療を行うこともあります。
その場合は、確定的治療が終了した時点で、再々評価検査を行います。
STEP4 定期的なチェックとクリーニング (メインテナンス)
1.再評価説明カウンセリング
再評価検査の結果と患者さんの希望を踏まえて、どの程度の間隔で定期検診していくか、また、みなさんのホームケアとしては、どういうことが必要かなどについて相談します。
どんなに素晴らしい治療をしても、定期検診なしでは、長持ちしにくいことがわかっています。
時間や費用の面で多大な負担をした患者さんや、痛みに敏感な方は、是非、定期検診に来てください。
2.定期検診
あとから振り返れば、治療を受けた期間より、定期検診の期間のほうが長かった。
治療の間は、大変だったけど、その後はそういえば快適だなあ。
費用はかかったけど、その後、長持ちしているなあ。
このように、定期検診の価値は、それを続けた人にしかわかりません。
是非、定期検診にお越しください。