上の奥歯のインプラントで副鼻腔に影響はありますか?
上の奥歯にインプラント治療を検討されている方から、「副鼻腔に影響はないのでしょうか?」というご質問をよくいただきます。
確かに心配になりますよね。
上顎洞(副鼻腔)とインプラントの関係
上の奥歯の上には「上顎洞」という副鼻腔があります。
歯を失うと、この上顎洞の底部分の骨が薄くなってしまうことがあります。
骨が薄い状態でインプラント手術を行うと、上顎洞に穿孔(穴が開く)するリスクがあるのです。
そうすると、副鼻腔炎になり、耳鼻科受診の可能性があります。
あなたの骨の厚みはどの程度でしょうか?
また、上顎洞に耳鼻科的な問題が既にある場合は、その疾患を耳鼻科で治療してもらい治ってからでないと
インプラント治療は出来ません。
手術中に起こりうる影響
当院では手術前にCT検査を行い、骨の厚みを正確に測定しています。
それでも手術中に上顎洞の一部を触ることがあります。
その結果、軽い鼻血が出ることがありますが、これは一時的なものです。
心配する必要はありません。
術後の注意点
上の奥歯のインプラント手術後は、特別な注意が必要です。
鼻血が出た場合は、1ヶ月間は鼻を強くかまないでください。
なぜなら、鼻をかむ圧力がインプラントに悪影響を与える可能性があるからです。
あなたは鼻をかむ習慣がありますか?
骨が不足している場合の対処法
骨の厚みが不十分な場合は、上顎洞底挙上術(俗にサイナスリフト・ソケットリフト)という治療が必要になることがあります。
これは上顎洞の底部分に骨を作る手術です。
ただし、治療期間が長くなったり、費用が高くなったりします。
安全性を高めるための取り組み
当院では以下の対策を行っています。
CT検査による詳細な診断を実施しています。
3Dシミュレーションソフトによる治療計画を立てています。
必要に応じてサージカルガイドを使用し、正確な位置にインプラントを埋入しています。
経験豊富な日本口腔インプラント学会専門医が手術を担当しています。
まとめ
上の奥歯のインプラント治療では、副鼻腔への影響は避けられない場合があります。
しかし、適切な診査・診断と経験豊富な歯科医師による治療であれば、安全に行うことができます。
軽い鼻血などの一時的な症状が出ることはありますが、重篤な問題に発展することはほとんどありません。
ご心配な点がございましたら、遠慮なくご相談ください。
あなたにとって最適な治療計画をご提案いたします。