治療途中での計画変更は可能ですか?

アライナー矯正の計画変更について ―柔軟性が治療成功の鍵―

「矯正治療を始めたけれど、途中で計画を変更することはできるのでしょうか?」

このようなご質問をよくいただきます。結論から申し上げますと、アライナー矯正では治療途中での計画変更は十分に可能です。

むしろ、適切なタイミングでの計画見直しこそが、理想的な治療結果につながる重要な要素となります。

なぜ計画変更が必要になるのでしょうか?

人間の歯は、一人ひとり全く異なる特徴を持っています。骨の硬さ、歯根の長さ、噛み合わせの状態など、すべてが個性的なのです。

そのため、コンピューターで立てた当初の計画通りに、必ずしも歯が動くとは限りません。

カーナビを思い浮かべてみてください。目的地までの最短ルートを設定しても、工事や渋滞で予定通りに進めないことがありますよね。そんなとき、カーナビは現在地から新しいルートを提案してくれます。

アライナー矯正での計画変更も、まさにこれと同じ考え方です。

「リアセスメント」という重要なプロセス

治療途中での計画変更を「リアセスメント」(再評価)と呼びます。インビザラインでは「リファイメント」という用語も使われますが、本質的には同じことです。

当院では、2~3か月ごとに定期的なリアセスメントを実施しています。

このタイミングで、光学スキャナーを使用してお口の中を詳細に確認し、歯の移動状況を正確に把握します。

「アンフィット」という警告サイン

計画変更が必要になる代表的なサインが「アンフィット」です。

アンフィットとは、マウスピースと歯の間に隙間ができてしまう状態のことです。まるで、サイズの合わない靴を履いているようなものですね。

この状態では、歯を正しく動かすことができません。アンフィットを感じたら、迷わず担当医に相談することが大切です。

シェイプメモリーアライナーの革新的な特徴

従来のアライナーでは、リアセスメント後に新しいマウスピースができるまで1~2か月という長い期間が必要でした。

しかし、最新のシェイプメモリーアライナーでは、この期間が約10日まで大幅に短縮されています。

これは治療にとって非常に大きなメリットとなります。なぜなら、歯の動きがわずかでも計画と異なってきた場合に、すぐに修正できるからです。

計画変更のメリット

1. 治療期間の短縮

早めの修正により、無駄な待ち時間がなくなります。

2. 快適な装着感

いつでもピッタリとフィットしたマウスピースを使用できます。

3. 治療効果の向上

確実な歯の移動により、理想の歯並びに近づきやすくなります。

実際のリアセスメントの流れ

1. 定期検査(2~3か月ごと)

  • 歯の移動状況をチェック
  • お口の中を光学スキャン

2. 新しい計画の作成

  • 現在の歯の位置から最適なプランを立案

3. 新しいアライナーの製作とお渡し

  • 約10日で完成
  • 完璧なフィット感を実現

患者様の負担を軽減する工夫

「病院に頻繁に通うのが大変では?」

そのようなご心配をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

当院では、オルソコムというアプリを活用しています。ご自宅で撮影した写真をアプリ経由で送信していただき、担当医が確認いたします。

必要な場合のみご来院いただく仕組みですので、通常の来院間隔は2か月程度となります。

大切なのは早めの相談

少しでもアンフィットを感じたり、違和感があったりした場合は、遠慮なく担当医にご相談ください。

早めの対応こそが、治療成功への最短ルートとなります。

我慢は禁物です。むしろ、気になることがあれば積極的にお声がけいただくことで、より良い治療結果につながるのです。

まとめ

アライナー矯正では、治療途中での計画変更は決して珍しいことではありません。

  • 定期的なリアセスメントが重要
  • アンフィットには早めの対応を
  • シェイプメモリーアライナーなら迅速な対応が可能
  • いつでもフィット感の良いマウスピースを使用

これらが、現代のアライナー矯正治療の特徴です。

あなたの理想的な歯並びを実現するために、私たちは最新のテクノロジーを駆使して全力でサポートいたします。

ご不明な点やご心配なことがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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