インプラント治療中は仮歯を入れられますか?

インプラント治療中の仮歯について解説いたします。

インプラント治療中に仮歯は入れられますか?

インプラント治療中の仮歯の使用は、多くの患者さんが気にされる点です。結論から申し上げますと、インプラント治療中でも仮歯を入れることは可能です。ただし、いくつかの条件や注意点があります。

インプラント手術直後の注意点

手術後の傷口保護のため、通常は術後2~4週間は義歯(仮歯を含む)の使用ができません。これは傷口の治癒を促進し、インプラントと骨の結合(オッセオインテグレーション)を妨げないためです。

インプラントは骨と結合するまでに時間がかかります。初期固定のよい通常埋入で約4週間、骨造成や初期固定の悪いケースでは約12週間かかります。この期間は特に注意が必要です。

仮歯の種類と選択肢

インプラント治療中の仮歯には主に以下の種類があります:

  1. 取り外し式の仮歯(部分入れ歯タイプ)
    • メリット:手入れがしやすい
    • デメリット:異物感がある、動きやすい
  2. 固定式の仮歯(隣在歯に固定するタイプ)
    • メリット:安定性がよい、自然感がある
    • デメリット:隣在歯に負担がかかる場合がある
  3. 即時荷重型(手術直後に仮歯を装着するタイプ)
    • メリット:治療期間中も見た目が保たれる
    • デメリット:症例を選ぶ(骨の状態や初期固定が良好な場合のみ)

仮歯使用時の注意点

仮歯を使用する際には以下の点に注意が必要です:

  • 手術部位に直接力がかからないよう調整が必要です
  • 硬いものを噛まないようにしましょう
  • 必ず歯科医師の指示に従いましょう
  • 清掃を丁寧に行い、感染リスクを減らしましょう

まとめ

インプラント治療中でも仮歯を使用することは可能ですが、治療の段階や骨の状態によって制限があります。手術直後は傷口の保護のため、一定期間は仮歯の使用を控える必要があります。

仮歯の種類や使用時期については、担当医と十分に相談し、最適な方法を選びましょう。インプラントは異物であり、「清潔なとげ」として口腔内に存在しています。不潔になれば「不潔なとげ」となり膿んでしまい排除されます(インプラント周囲炎)。したがって、術後の管理と定期健診が非常に重要です。

インプラント治療は自費診療であり、術後管理も含めた総合的な治療計画が必要です。ご自身の治療に最適な方法をぜひ歯科医師と相談してみてください

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