スケーリング後に歯がしみるのは正常ですか?
スケーリング後の歯のしみについて:正常な反応と対処法
スケーリング後に歯がしみる経験をされた方はいませんか?この症状は多くの患者さんが経験される正常な反応です。今回はスケーリング後の知覚過敏について詳しく解説いたします。
スケーリング後のしみは正常な反応です
スケーリング後に歯がしみることは、実は正常な反応となります。当院でも「冷たいものがしみる」というご相談をいただきます。
この症状はなぜ起こるのでしょうか?歯石除去により、これまで歯石に覆われていた根面が露出することが主な原因です。歯石は細菌の温床ではありますが、同時に外部刺激から歯を守る役割も果たしていました。
しみる症状の特徴について
スケーリング後のしみには以下のような特徴があります。
- 冷たい飲み物や食べ物で特に感じやすい
- 歯ブラシの毛先が触れた時にピリッとする
- 症状は一時的で、通常は数日から数週間で改善する
これらの症状に心当たりはありませんか?多くの場合、2週間から1か月程度で症状は軽減していきます。
なぜしみる症状が起こるのか
歯がしみる仕組みを理解しておくことは重要です。歯の構造は外側からエナメル質、象牙質、歯髄(神経)の順番になっています。
根面が露出すると、象牙質内の象牙細管という微細な管を通じて刺激が歯髄に伝わります。これが知覚過敏の正体となります。
歯肉の炎症が改善されることで、腫れていた歯肉が引き締まります。その結果、これまで歯肉に覆われていた根面が露出することになります。これは歯周病が改善している証拠でもあるのです。
症状の改善期間について
当院の患者さんの経過を見ますと、多くの方が以下のような経過をたどります。
- 1週間以内:症状が最も強く現れる期間
- 2-4週間:徐々に症状が軽減
- 1-3か月:ほとんどの方で症状が改善
ただし、個人差があることをご理解ください。歯肉の状態や歯石の付着状況により、回復期間は変わってきます。
対処法について
知覚過敏の症状を和らげる方法をご紹介いたします。
歯磨き粉の選択
知覚過敏用の歯磨き粉の使用をお勧めしています。硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが配合された製品が効果的です。当院では「シュミテクト」や「システマセンシティブ」などをお勧めしております。
ブラッシング方法の工夫
- 軽い力でのブラッシング
- 毛先がやわらかめの歯ブラシの使用
- 温かい水でのうがい
これらの方法を試されたことはありますか?
食事の注意点
- 極端に冷たい飲み物は避ける
- 酸性の強い食品(柑橘類など)の摂取を控える
- 食後すぐのブラッシングは避ける
受診が必要な場合
以下のような症状がある場合は、すぐにご連絡ください。
- 1か月以上症状が改善しない
- 痛みが徐々に強くなる
- 何もしなくても痛みがある
- 歯肉の腫れや出血が続く
これらは知覚過敏以外の問題が考えられるためです。
予防的な処置について
当院では知覚過敏の症状が強い方に対して、以下の処置を行うことがあります。
- フッ化物の塗布
- 知覚過敏用薬剤の塗布
- レーザー治療
- 薬物療法
- 抜髄
これらの処置について詳しく知りたい方はお気軽にお尋ねください。
まとめ
スケーリング後の歯のしみは、多くの場合正常な反応です。症状は一時的であり、適切な対処により改善していきます。
しかし、症状が長期間続く場合や悪化する場合は、他の原因が考えられます。心配な症状がございましたら、遠慮なくご相談ください。
歯周病治療は継続的なケアが重要です。定期的なメンテナンスを受けることで、お口の健康を長期間維持することができます。
何かご不明な点がございましたら、いつでもお声かけください。皆様のお口の健康をサポートさせていただきます。