喫煙者でもインプラント治療は受けられますか?

喫煙者でもインプラント治療は受けられますか?

喫煙者でもインプラント治療を受けることは可能です。しかし、タバコはインプラント治療の成功率に大きく影響します。

喫煙がインプラント治療に与える影響

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させます。血流が悪くなることで、手術後の治癒が遅れる原因となります。また、喫煙は免疫機能を低下させ、感染リスクを高めます。

当院でのインプラント保証制度においても、喫煙者の方は非喫煙者と比べて保証期間が短くなります。具体的には:

  • 非喫煙者:1年経過ごとに1割免責、10年で保証終了
  • 喫煙者:1年経過時点で3割免責からスタート、8年で保証終了

この違いは、喫煙者のインプラント周囲炎リスクが高いことを示しています。

インプラント治療を成功させるためには

喫煙者の方がインプラント治療を受ける場合、以下の点を守ることが大切です:

  1. 手術前2週間、手術後8週間は禁煙してください
  2. 定期的なメンテナンスを欠かさず受けてください
  3. 自宅でのプラークコントロールを徹底してください

特に手術直後の禁煙は、オッセオインテグレーション(骨結合)の成功に直結します。ストローマンインプラントは通常4〜12週間で骨と結合しますが、この時期の喫煙は骨結合を阻害する可能性があります。

喫煙とインプラント周囲炎

インプラント周囲炎は、インプラントを支える骨の吸収を引き起こす疾患です。喫煙者はこのリスクが特に高くなります。

インプラント周囲炎の発生率は、過去に慢性歯周病だった方とそうでない方で大きく異なります。研究によれば、10年後のインプラント周囲炎の累積発生率は:

  • 慢性歯周病の既往がある方:28.6%
  • 歯周病以外が抜歯理由だった方:5.8%

喫煙はこの数値をさらに悪化させる要因となります。

まとめ

喫煙者でもインプラント治療は可能ですが、成功率を上げるためには禁煙期間の厳守と術後の適切なケアが不可欠です。インプラントは「清潔なとげ」として口腔内に存在しており、不潔にならないよう日々のケアが重要です。

インプラント治療をお考えでしたら、まずは禁煙について専門家に相談されることをお勧めします。当院は茨城県医師会認定禁煙指導者の資格を持っていますので、禁煙のサポートも行っています。

お口の健康を守り、インプラントを長持ちさせるためにも、禁煙を真剣に考えてみませんか?

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