インプラントに年齢制限はありますか?
インプラント治療の適応年齢について
インプラント治療において、年齢に関する質問は多くの患者さんから寄せられます。年齢制限についてご説明します。
下限年齢の制約
インプラント治療には下限年齢の制約があります。顎の骨の成長が完了していない状態でインプラントを埋入すると、周囲の天然歯が成長しても人工歯根であるインプラントは成長しません。これにより、将来的に審美的・機能的な問題が生じる可能性があります。
一般的に骨の成長が完了するのは女性で16歳前後、男性で18歳前後とされています。当院では安全を考慮して、男女ともに20歳以上の方をインプラント治療の対象としています。
上限年齢の考え方
インプラント治療には理論上、上限年齢はありません。80代、90代の方でも、全身状態が良好であれば治療は可能です。
重要なのは「暦年齢」ではなく「生物学的年齢」です。つまり、実際の年齢よりも全身状態や骨の状態が重要となります。
高齢者のインプラント治療における考慮点
高齢者の場合、以下のような点を特に注意深く検討します:
- 全身疾患の有無と状態(特に糖尿病、心疾患など)
- 服用中のお薬(特に骨粗鬆症治療薬のビスフォスフォネート系薬剤など)
- 手術に耐えられる体力があるか
- ご自身による口腔内のケアが適切に行えるか
- 定期的なメンテナンスに通院できるか
これらの点を総合的に判断し、インプラント治療が適切かどうかを決定します。
年齢より重要なこと
年齢そのものよりも、以下の点が実はより重要です:
- 口腔内の衛生状態
- 骨の量と質
- 全身疾患のコントロール状態
- 定期的なメンテナンスへの通院意欲
- 喫煙習慣(喫煙はインプラントの失敗リスクを高めます)
まとめ
インプラント治療は、成人であれば上限年齢なく検討可能な治療法です。ただし、すべての方に適しているわけではありません。当院では個々の患者さんの状態を詳しく診査し、最適な治療法をご提案しています。
「インプラントを入れたいけれど、年齢的に無理かもしれない」と諦める前に、一度ご相談ください。そして重要なのは、インプラントを長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが不可欠であることを忘れないでください。