頭痛と顎の関節、咬み合わせの関係

人間の頭の重さは体重の8パーセントといいますが、標準体重の成人で約5キログラムと思っていいでしょう。つまり、顎の関節は5kgの重さを支えながら、物を噛んだり話したり、食いしばったりという動きを行っています。

人間のからだには、約200個の骨があります。

一番上にあるのが、頭蓋骨。

そして、頚椎、背骨、胸椎、腰椎、骨盤から下半身の骨へと左右対称につながって、全身の骨格を形成しています。

これらの骨と骨をつなぐのは関節です。

この関節のなかでも一番大きな動きをしているのが顎の関節です。

また心理的な動きや勘定に左右される間接は顎の関節だけと言われています。

顎の関節は、前後・左右・上下に動いて、頭蓋骨と首の骨との間でバランスをとっています。

顎の関節の噛みあわせがズレると、まず、頭蓋骨や首の骨の位置に影響をあたえます。
頭の位置のバランスがくずれると、そのバランスを保とうとして、別の部分の関節にひずみがかかります。すると、そのひずみをまた別の関節が補うこととなり・・・結果的に、顎の関節の噛みあわせのズレは、全身に伝わり、全身の骨格が歪んでしまうのです。

歯ぎしりや食いしばりなどは筋肉の過剰な動きです。

歯科の分野の診断名である顎関節症にみられる頭痛は緊張タイプの頭痛です。

頭蓋骨の側頭部や後頭部の頭痛から頸部、肩、腕にも広がり、頸肩腕症候群とも呼ばれます。

噛みあわせのズレで全身の骨格がゆがむことにより、人間のからだにはたくさんの異常が起こります。これらの症状のある患者さんに、実際に顎関節症の治療をすることにより症状が改善します。

顎の関節の痛み、頭痛や首、肩のコリ、腰痛、動悸息切れ、手足のしびれ、難聴、めまい・・・など長年に渡る苦痛の末に、精神的にも多大な負担を感じている患者さんもおられます。
これらの症状は、他科を受診してもなかなかその原因がつきとめられないというのが特徴です。

最も頻繁にみられる頭痛は顎の筋肉の緊張から来る頭痛です。

これらの頭痛や頭頸部の痛みは、しばしば副鼻腔の炎症や心因性ストレスと診断されることがあります。

もちろん全ての頭痛が顎の関節や咬み合わせに関係しているわけではないので、歯軋りや顎関節症の症状のあるなしに関わらず、心療内科、神経内科等の受診をお勧めします。

それにしても、ひとつの可能性として、長年、原因不明の頭痛にお悩みの方は、ぜひ一度、噛みあわせを疑ってみてください。

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