糖尿病があってもインプラント治療はできますか?

糖尿病とインプラント治療について

糖尿病をお持ちの方からインプラント治療についてのご質問をよくいただきます。結論から申し上げますと、糖尿病があってもインプラント治療は可能な場合が多いです。しかし、いくつかの重要な条件があります。

糖尿病とインプラント治療の関係

糖尿病は血糖値のコントロールが不十分だと、以下のような問題を引き起こす可能性があります:

  1. 傷の治りが遅くなる
  2. 感染症のリスクが高まる
  3. 骨とインプラントの結合(オッセオインテグレーション)が不良になる可能性がある

これらの理由から、糖尿病の状態によってはインプラント治療のリスクが高まることがあります。

インプラント治療が可能な条件

糖尿病の方がインプラント治療を受けるための重要な条件は以下の通りです:

  1. 血糖値が適切にコントロールされていること
    • HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が7.0%未満であることが望ましい
  2. 合併症が重度でないこと
    • 特に血管や神経の合併症が進んでいないこと
  3. 内科医との連携が可能であること
    • 主治医からの手術許可を得ること
    • 必要に応じて手術前後の血糖管理について指示を受けること

糖尿病の方へのインプラント治療の特徴

糖尿病の患者さんへのインプラント治療では、以下のような特別な配慮をします:

  • より厳密な術前の口腔内の衛生状態の改善
  • 抗生物質の予防的投与が長期になることがある
  • 通常よりも長い治癒期間を設ける場合がある
  • より頻繁な術後のフォローアップ

当院の取り組み

当院では糖尿病の患者さんのインプラント治療において、以下のアプローチを取っています:

  1. 術前の血液検査でHbA1cの値を確認
  2. 内科主治医との連携による手術の安全性の確認
  3. 術前の徹底した口腔衛生指導と歯周病治療
  4. 必要に応じた抗生物質の適切な投与
  5. 術後の丁寧な経過観察と口腔ケア指導

メンテナンスの重要性

特に糖尿病をお持ちの方は、インプラント周囲炎のリスクが高まる可能性があります。定期的なメンテナンスがより一層重要となります。当院では通常より短い間隔でのメンテナンスをお勧めする場合があります。

まとめ

糖尿病があってもインプラント治療は可能です。ただし、血糖値のコントロールが良好であることが条件となります。インプラント治療をお考えの糖尿病患者さんは、まずはご相談ください。内科主治医との連携のもと、安全で長期的に安定したインプラント治療を目指します。

「糖尿病だからインプラントは無理」と諦める前に、現在の血糖コントロールの状態や口腔内の状態を総合的に判断してもらうことをお勧めします。

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