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顎関節症

顎関節症

ここでは、顎関節症(TMD)についてご説明します。
なお、参考文献として以下の文献を使用しました。
米国AAOP学会による評価、診断、管理の指針
『口腔顎顔面痛の最新ガイドライン』
J.P.Okeson編
藤井弘之・杉崎正志監訳
クインテッセンスブック
TMDには、以下の3つの主症状があります。

 疼痛
 (咀嚼筋・耳前部・顎関節部・耳痛・顔面痛・頭痛)
 関節雑音
(クリッキング・ポッピング・グラインディング・クレピタス)
「こきっ」  ・ 「スポン」・  「グリグリ」 ・「羊皮紙様」
 機能障害
(下顎運動制限・運動非対称)

TMDというと、いったいどんな病気かと思われる方も多いと思いますが、TMDは以下のように大きく2つに分類できます。
 顎関節に問題があるもの
(変形・磨耗など)
 筋肉に問題があるもの
(筋炎、筋膜炎など)

次に、TMDの治療目標ということについて次に説明します。
それは、ちょうどご高齢になった方が、手足が痛くなり、整骨院に電気をかけに行くことに例えられます。
つまり、Treatment(治療)でなくManagement(管理)といえます。
わかりやすくいえば、『痛みをとり、生活できる程度に管理して、病気と長く付き合う』というものです。
その特徴をまとめると、以下のようになります。

完治がない。

管理の目的

1.疼痛の緩和
2.過度な負荷の軽減
3.機能回復
4.および正常な日常活動の回復

TMDが急性症状がでたときの管理方法についてまとめたものをお示しします。

TMDが急性症状がでたときの管理方法

顎関節症の疫学

以前、顎関節症では人工関節置換術が良く行われていたことがあります。つまり、積極的に変形した組織を人工物に置換しようと言う考え方です。
残念なこと日本でも2例、医療ミスによる死亡例があると聞いたことがあります。
(顎関節と脳は、数センチしか離れていないこともあるほど近いこともあるため)
現在では、外科的な積極的置換術を行うことはほとんど行われなくなっています。
それには、顎関節症の予後を疫学的に調査した結果が深く関与しています。

TMDの疫学

このようにTMD患者は圧倒的に30代までであり、40代以降になると急激にその数が少なくなります。
つまり、何もしなくても加齢とともに症状がとれ、自然に治っていく事がわかっています。これは、人間の適応能力により説明されています。
従って、放っておけばだんだん治っていく疾患であれば、症状がひどいときには、症状を緩和するように管理し、生活に困らないレベルでTMDと共存していくことが治療の目的になります。

次にTMDの病因について考えて見ましょう

TMDの病因

普遍的病因は存在しない

多因子的
全身疾患と関連した病態生理学的因子
(関節の弛緩、血管性疾患、退行変性、内分泌性、感染性、代謝性、リウマチ性)
外傷性因子
解剖学的因子(筋肉・顎関節)
心理学的因子

ここで大切なことは、
TMD治療のために、補綴・矯正をすることはまずありえないということです。
以前は、TMDの原因はかみあわせ、咬合と考えられていた時代があったため、TMD治療のために矯正をしたり、悪くもない歯を削って全顎的に補綴したりしていました。
しかし、現在では、TMDの病因は多因子であることがわかってきておりそうしたことは行われなくなっています。

次に病因において、もうひとつ大切な考え方があります
それは、素因、初発因子、永続因子という考え方です。
素因   :TMDの危険性を増大させる要因
(円板のずれ)
初発因子:TMDを発症させる要因
(インレーセット、カラオケ、あくびなど)
永続因子:TMDの増悪を強める因子
(声楽という仕事)
ここで大切なことは、以下のようなことがありうるということです。
初診時に顎がカクカクなっている方に冠を適切に装着しても、それが初発因子となり、顎に痛みがでることがあります。
患者さんは何も知らされていないと、とりつけた冠が悪いと思います。
でも実は、冠は悪くないと言うことがありうるのです。

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