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チェアサイドの一言(院長のつぶやき)

内呼吸と外呼吸

前回は、多動(ADHD)で落ち着きがないお子さんが鼻呼吸を獲得して、症状が和らいだことを紹介しました。今回は、もう少し、内呼吸について説明します。私たちは、空気中の酸素を体に取り入れています。

酸素は細胞のごはんです。この酸素を運んでくれるのがヘモグロビン。酸素を肺胞でヘモグロビンに渡すまでを外呼吸、ヘモグロビンが渡された酸素を各臓器に運ぶのが内呼吸です。

この内呼吸、酸素を各臓器に渡すときに二酸化炭素濃度が低いと酸素を効率的に渡せません。脳に酸素がきちんと渡らなければ、落ち着きがなくなったり、集中力がなくなったりするかもしれません。

従って、二酸化炭素濃度はとても大事。もし、あなたが口ポカンで口呼吸だとすると、それは、炭酸飲料をふたをしないでいるのと同じ。

気が抜けてしまいますね。ですので、鼻呼吸というのは、集中力を高めたり、体の健康を保つ意味でもとても大切なことが分かって頂けると思います。

前回の記事「口呼吸と鼻呼吸2」はこちら

口呼吸と鼻呼吸(2)

先日参加した勉強会で多動性障害のお子さんが、鼻呼吸を獲得したことで、多動の症状がなくなったというお話しを聞きました。

鼻呼吸が出来るようになると、内呼吸がスムーズに行われるようになるため、脳における酸素と二酸化炭素の交換がスムーズになったのかもしれないとお話しされていました。

人は、3日間食べなくても死なないそうですが、3分呼吸をしないと死んでしまいます。

ですので、呼吸の体に与える影響は、とても大きいことがわかりますね。

さて、今日の本題の鼻呼吸をするために大切なことですが、大切なことは二つだけです。

一つ目は、お口を閉じていること。二つ目は、舌を上顎につけておくことです。

是非、みなさんも日常生活の中で、「お口を閉じて、舌は上」を実践してみてください。

口呼吸,鼻呼吸 舌を上顎につけておく

口呼吸と鼻呼吸(1)

息をするときに口でしていませんか?

また、みなさんのまわりには、お口ポカンの人はいませんか?

お口ポカンの人は、口呼吸をしている人です。

息をするときには、「鼻で吸って鼻ではく」。

これが正しい呼吸法です。

口呼吸と鼻呼吸

口で呼吸をすると、

細菌やウイルスが直接のどに行くため、

冬場かぜをひきやすかったり、インフルエンザになりやすかったりします。

また、花粉やハウスダストなどがのどに行けば、花粉症・アトピー性皮膚炎・喘息などになりやすくなります。

また、口で呼吸する人は、舌が低い位置にあるため、舌根が沈下し、気道が狭くなることで鼻炎になりやすかったり、いびきや睡眠時無呼吸症候群になりやすかったりします。

さらには、のみこみのときに舌が上顎を刺激しないので、上顎が成長しないため、歯並びが悪くなったりします。

発音時に舌がとび出てくれば、発音の不良にもつながります。

つまり、「鼻で吸って鼻ではく。」は、体を健康に保つ上で、とても大切なことだということです。

次回は、そのためには、何に気を付ければいいのかを説明しますね。

アクセルソン教授の講演会

2011年5月29日に歯科の予防の世界では、神様のようなアクセルソン教授の講演会に歯科衛生士とともにいってきました。

先生は、30年にわたる定期健診の結果

開院の精神

を世界に発表しています。

また、いまでは、一般的になったPMTC(専門家による機械的歯面清掃)を開発し普及させた先生でもあります。

一つの時代を作り、流れを作った方と直接お話する機会ももつことができ、スタッフ一同、予防の大切さを再認識した次第です。

こうした勉強の成果を日々の臨床の中に反映させるべく、努力していきますので、みなさん、期待していてください。

アクセルソン教授と

歯科衛生士の成長が頼もしく

半日×3回でシャープニングの実技講習を当院の歯科衛生士4人が受け始めました。
先日の9/15に一回目がありました。

シャープニングとは、日本語で「研ぐ」という意味です。
何を研ぐかというと、キュレットという歯石を取る道具です。
キュレットは、刃物なので研げていない状態で使うとかえって歯や歯肉を傷つけたりしてしまいます。

一流料理人の包丁が研げていないことはあり得ないように、キュレットが研げていないことは問題です。
講師の風見健一さんは、世界一のキュレットメーカー ヒューフレディー社に勤務の後、独立された方です。
http://www.sharpening.jp/ 

現在、大学の歯周病科を始め、歯科衛生士学校や、ステディグループなどに多数講師として招かれている日本におけるシャープニングの第一人者の方です。

さて、ここからが本題です。
実技講習が始まりましたが、講演もわからないことが多いし、実技にいたっては全く出来ないし、わからないし正直ちんぷんかんぷんでした。

衛生士さんに「わかってるの?」と聞くと、みんな大きくうなずいてわかっている様子。
風見さんにも、当院の衛生士は、かなりレベルが高いですよとお褒めの言葉を頂きました。

いままで、数多くの研修会に送り出してきましたが、信頼のおける方から客観的な評価として、当院衛生士のレベルを高く評価していただいたことはうれしい限りでした。

加えて、どの道もそうですが、その道を深く突き詰めていき、院長の僕も理解できないレベルまで彼女たちが到達してくれていたことが頼もしく、よく成長したなあと感じました。

日本においては、ともすると歯科医師の補助的な仕事の多い歯科衛生士ですが、お互いに専門をもつプロとして、患者さんの健康のために協力していける歯科衛生士が当院から育っていることに誇りを感じています。

どうか、これからもそれぞれが専門家、プロとして、患者さんのために向上していきますように。

咬み合わせ認定医を取得

咬み合わせ認定医を取得日本顎咬合学会の咬み合わせ認定医を取得しました。
HPでの宣言どおりに日本臨床歯周病学会認定医と日本口腔インプラント学会認証医のほうも取得できるよう精進いたします。

認定衛生士に受かりました

速 報

当院の2名の衛生士が日本臨床歯周病学会の認定衛生士の試験に合格しました。
認定衛生士とは、学会が認める研修に参加し、症例発表を通じた診査に合格したものだけに与えられる資格で全国でも100名余の衛生士しか合格していない資格です。

おめでとう! 石神さん・石山さん。これからも患者さんのために頑張ってね。

日本臨床歯周病学会の認定衛生士の試験に合格しました

特養ホームのお年寄りのお口の中を見て感じたこと

昨年7月の開業以来バリアフリーとなり、車イスのかたも自由にご来院できるようになったため、特養ホームや介護施設に入所しているお年寄りの方のご来院が増えてまいりました。

そうした人たちの来院理由はさまざまですが、お口の中を全体的に診査させて頂くとむし歯や歯周病で惨澹たる状況であることが多いと感じています。

きちんと治療すれば、お食事をもっとよく取れるのにと思うのに健康状態の問題や通院の足がないこと、呼吸や飲み込みといった機能も低下しているため歯をドリルで削ること自体に耐えられないなどの理由により最低限の治療にならざるを得ないことが少なくありません。

そうした場合の治療の多くが、入れ歯の作成や修理となるわけですがお年寄りの多くが入れ歯に対する適応能力が落ちていたり、入れ歯の粘膜へのあたりを緩衝してくれる唾液分泌も老化や内服薬の副作用により少なくなっており若い方のように入れ歯を使いこなせるか心配になってしまいます。

こうしたいわゆる終末期の歯科医療を考えるとき、在宅歯科医療の果たす役割はもちろん大切になってくるわけですが、在宅に持ち込める歯科医療器具にも限度があります。

かかりつけ歯科医の重要性

私は、もっとも大切なのは、もっと若いとき、すなわち少なくとも中高年世代からかかりつけ歯科医で定期的なチェックとクリーニング(定期健診・メインテナンス)を繰りかえし、そもそもお口の中の状況をこれほど惨澹たる状況にしないような歯科医療のあり方がもっとも大切だと考えます。

悪くなってから治すのではなく、そうならないように予防管理することこそが必要になると思うのです。
当院は、そうした人たちの受け皿になり得るよう診療所を昨年新規開業いたしました。

信頼して定期的にきて下さる患者さんだけは、せめて、『うちに通院したおかげでいっぱい歯が残ったよ』と言ってもらえるよう、スタッフ一同、努力を続けて行きます。

いのちの授業

先日ラジオ・テレビなどでこんな授業があったら素晴らしいなと思ったことがあり、筆をとっています。

ただ、モンスターピアレンツではありませんので、このお手紙がリリーのよりよい教育活動を行ううえで、なにがしかの参考やひらめきにつながればとの思いでお便りします。

いじめなどの問題からいのちの大切さが叫ばれて久しい現状ですが、親の子殺しやその逆など、日々のニュースでは殺伐としたものを見ることも少なくありません。

日々、歯科医として患者さんの健康について考えている立場からも、どうしたらその大切さが伝わるかなと考えておりました。

あるとき、ラジオから茨城県では、「捨て犬の日」(名前は定かではありません)があると聞きました。何かの事情で飼えなくなった犬を保健所が引き取りに着てくれる行政サービスだそうです。

引き取られた犬は、確か3日か5日後に処分されるそうです。

以前テレビで処分される犬の檻(牢屋のようなかんじ)を見たことがあります。

たしか3つ部屋があり、最初、捕まえられた日に入る部屋、その翌日になると

隣の部屋に犬たちは移動させられ、また、次の日になると3つ目の部屋に移動させられ、

そして、最後の日には、ガス室のようなところで処分されるということでした。

犬もそうした運命を知ってか、檻の中で、泣き叫んでいた映像が痛々しかったのを覚えています。

確か、茨城県だけでも何千匹近い単位で毎年処分される犬や猫がいるとか。

それに比べ、アメリカでは、野良犬を保護・再教育し、里親に渡す仕事が社会活動として認知されており、そうした協会への寄付により、そのスタッフへの報酬も支払えるということでした。また、一般の国民も犬を買う際は、ペットショップにいくのではなく、そうした協会に犬を引き取りに行くという人がかなりいるそうです。

それにひきかえ、日本では、「捨て犬の日」がある現状。

これがあるおかげで、犬の飼えないマンションに引っ越すからとかいった簡単な事情でも気軽に、いのちが処分されている現状は、アメリカに比べあまりにも寂しいと感じました。

結局のところ、大人のわれわれも、野良犬を見てもそれをひきとるところまではいかないのがほとんどではないでしょうか。

予防接種代やえさ代がかかるとか、うるさいとか、何かしら言い訳をつけてそれを避けているのではないかと思うのです。

「いのちは大切に」とは、誰でも知っていても、野良犬を引き取るまではいかないにしても、せめて、一度飼った犬は、最後まで責任を持って面倒見るべきだと思うのです。

行政サービスとして、「捨て犬の日」があることに対し批判があるようです。

しかし、最も大切なことは、小さいうちの教育だと思うのです。

総合学習の時間などを利用して、例えば、捨て犬の頭数や、アメリカの保護活動の現状を調べたり、社会科見学で、保健所で処分を待つ犬を実際に見学すること、そして、それを見て子供たち自身が感じたことを、討論し、発表しあう・・・。

そんな試みが出来たら素晴らしいなあと勝手に考えてしまい、このお便りになっています。

学校には、教えなくてはいけないことがたくさんあること、授業計画などは、年間で既に決まっていることなどはわかっております。何かの参考となれば幸甚です。

学校歯科検診で『治療勧告!?』

そろそろ歯科検診の時期になってきました。
そこで、日本の歯科検診について思うことを今日は書いてみたいと思います。

歯科の2大先進国であるアメリカと北欧の国の歯科検診は、だいぶ様相が違います。
北欧の国は、「高福祉・高負担」国家が多く、歯科治療費も成人するまでは、矯正も含め無料の国もあると聞きます。したがって学校歯科保健活動においても、スクールデンティストといって、学校内に専属歯科医を配置し公衆衛生的に徹底的に予防しようとしています。
フッ化物の使用やシーラントも積極的です。

一方、自由の国アメリカは、自己責任の国でもあるため、予防は個人にゆだねられており、個人がかかりつけ歯科医で定期的なチェックとクリーニング、いわゆる定期検診を受けることで子供の口腔の健康も守っています。つまり、学校での歯科検診などは基本的にありません。

そこでわが国日本です。わが国でも平成10年よりCO/GOといって、むし歯や歯周病になりそうな状況を見つけ出し、そうならないように指導するという体制になっていますが、基本的には、むし歯や歯肉炎などを見つけ出し、それに対して治療勧告をするという形になっています。

しかし、検診の状況はいまだ劣悪です。例えば、照明が暗い・歯の上の唾液をとばすエアーがない、子供が歯を磨いていない、単針などを使った触診ができない、レントゲンやレーザーなどを利用した診査機器もないなどです。診療所でおいてすら、視診でのむし歯の検出率は、7-8割というデータがある中でそうした劣悪な環境の学校歯科検診では、きちんとむし歯かどかの診断は不可能です。あくまでもおおまかなふるいわけをしているにすぎません。

学校歯科保健活動において学校歯科医は、CO/GOなどの児童生徒に対し、適切な指導助言を行うことになっていますが、検診のときしか学校に行かない歯科医がほとんどではないでしょうか。
はえたての永久歯は、大人のわれわれが持つ永久歯と違い、むし歯が急速に進行しますし歯髄が近いのですぐ神経を取ることになりかねません。穴ができてからでは、もうかなり重症な場合も少なくありません。

でも、学校での検診では、明らかに穴でないとむし歯とはしないようになっています。
「疑わしきは罰せず」です。従って、本来レントゲンなどで見れば治療が必要な歯でもむし歯なしとなることも多いわけです。

ところが、保護者の方から見ると学校でむし歯なしなら歯科医院に行かなくていいやといった感覚があるのではないでしょうか。

歯科医院に行くのは、学校から治療勧告(治療のすすめ)をもらってからでいいやみたいな感覚です。

学校に歯科医と治療用のユニットを設置し、徹底的に予防を行う北欧。

逆に学校では何もしないアメリカ。

日本では、何か、ちぐはぐです。

精度の低い検診を信じ、歯科医院に行くのは、学校からお知らせをもらってから・・・。
治療が必要かどうかを診断するのは、学校ではなく、診療所・病院です。
そして、是非、日ごろから歯科医院を悪くなる前から、定期的なチェックとクリーニング(定期健診やメンテナンス)のために利用し、お口の健康を守っていってください。

「歯周病治療がどんなに進んでも」

ここ10数年で歯周病治療はずいぶん進歩したといわれています。
インプラント、歯周病細菌の遺伝子レベルでの検査(PCR-INVADER法やP.g菌の菌株fimAタイプの検査)やそれに基づく抗菌療法、歯周組織再生治療マイクロスコープを使ったプラスティックサージェリー・・・)それでも、ひとつだけ変わらないものがあります。
それがなければ、歯が救えないという大切なものです。

何だと思いますか?

それは、患者さん自身のプラークコントロールです。患者さんご自身が、きちんとプラークを落とし続けてくれないと決してよい予後は期待できません。これに関しては、多くの文献・研究で確認されています。

従って、歯ブラシを中心にしたブラッシング指導にも当院は力を入れていきます。歯周病に関する限り、患者さんは治療を受ける立場であると同時に自分でプラークをとるという意味では治療する一員でもあるわけです。歯周病治療がどんなに進んでも、おそらくこのことだけは永遠に変わらないでしょう。

歯周病検査の必要性

「歯周病治療におけるプロービング検査(歯周ポケット検査)の重要性について」

初診時に治療計画のカウンセリングをしていて驚くのは、歯周病治療におけるプロービング検査(歯周ポケット検査)について知っていたり、きちんと説明された記憶のある患者さんが極めて少ないことです。臨床実感では、1%もいないのではないでしょうか。

この検査は、もう10年以上前から、歯石をとる前には必ずしなくてはならない保険治療の約束事なのですが、これについて、きちんと知らされていないようです。
歯石をとってもらったことがある人は多数いるのですが、検査については知らないのです。

歯周病は、歯と歯茎のすきまに歯周病原菌がついて、LPSなどの毒素を出すことにより、歯周ポケットが出来、それがだんだん深くなる事により歯を支えている組織が徐々に失われる病気です。
いったん歯周ポケットができてしまうと、その中のお掃除は歯科医院でしか行えないため、ホームケアだけでは限界があります。

そして、歯を支えている骨や歯周組織が破壊されるのは、歯周ポケットからにいる細菌がだす毒素や化学物質によるため、歯周ポケットの中をきれいにしなければ歯周病の治療とはいえないわけです。

ところが患者さんの多くは、目に見える歯茎の上の部分の歯石や汚れを取ってもらえばよいと思っているのです。
それでは、歯石などをとる器械(超音波スケーラー)をやみくもに歯茎の中、つまり、歯周ポケットに突っ込めばよいかというと、2mm以内の歯周ポケット(正確には、歯肉溝)に道具を入れると、逆に、歯を支えている歯周組織が破壊されることがわかっています。

従って、手用器具または器械で歯石をとる前に、歯肉の中に道具を突っ込んでいい場所とそうでない場所を最低限検査する必要があるのです。
この検査では、歯周組織を傷つけないように、プローブという先端の丸いものさしを使って、歯周ポケットの深さやそこからの出血(BOPといいます)、歯の動揺度、プラーク付着状態などを検査します。

ちょっといい話―スタッフが見せてくれた優しさ―

先日、70代をすぎた大変怖がりの患者さんの治療をしていました。

Brを2つ形成し型をとる予定だったのですが、治療の合間合間、大変お疲れになってるご様子でした。

私が、ちょっと席をはずし患者さんのところに戻ってみるとうちに就職希望で体験就業中のスタッフが、患者さんの肩をもんであげていました。

患者さんは、今まで私が見たことのない大変うっとりした表情で、笑って「ありがとう」と言っていました。

私もそうした気遣いに感心するとともに、スタッフに感謝の言葉を述べ、朝のミーティングのときに全員に報告し、これから患者さん応対のお手本にしようと述べました。

人の手のぬくもりって、言葉以上に何かを伝えてくれるものですよね。

適正なインプラント治療費、インプラントの費用をどう考えるか?

みなさんが、インプラント治療を受けようとする場合、費用もかかるし、手術にもなるしということで慎重にお選びになると思います。

私も、インプラントを供給するインプラントメーカーとして、どこを使うかについては頭を悩ませました。実は世界には、400社近いインプラントメーカーがあるのです。

結論から申し上げますと、私は以下の点を重視し、インプラントメーカーを選びました。

  1. インターナショナルジャーナルと言われる国際的な専門学会誌により、よくそれを使ったインプラント治療の報告がなされていること。特に、どのくらい長持ちするかといった予後についての報告があること。
  2. 会社が信頼に足る規模で、研究開発が十分に行われていること
  3. 学術的にも、インプラント学をきちんと学び、開業医がステップアップしていける道筋があること

それぞれの思いを説明していくと

まず、1の予後についてしっかり報告がされていることについてです。ご承知のようにインプラント治療は自費であり、費用がかかります。私たち医療者と患者さんにとって、もっともハッピーなのは、治療したインプラントが長持ちすることです。5年、10年、15年、20年とインプラントが長持ちすればするほど、当初かかった費用は、1日あたりのコストが安くなる結果、割安になります。従って、説得力を持って、このインプラントの10年生存率は、どれくらいと言いたかったのです。現在、科学的根拠に基づく治療の必要性が叫ばれておりますが、科学的根拠の信頼性には、格付けがあり、この研究は、信頼性が高いとか、低いとか言ったりします。そうした点で、メーカーにその予後についてできるだけ信頼性の高い研究はある?効いて回ったわけです。すると、メーカー(業者)内の甘い基準の研究しかないメーカーが多数ありました。

次に2についてです。現在、チタン製のインプラント治療が始まって約40年ですが、この間に、あまりにも質の悪い会社は、だいぶ淘汰されました。その結果、インプラントの予後は、おおむね良好(10年後でも90%以上は残存)なことがわかっています。

従って、インプラントはとても長持ちします。だからこそ、急速に世界に広がったのですが、問題はここからです。お口の中は、ものを噛み、消化する作業場です。1年365日休みはありません。従って、インプラントをとめているネジが折れたりすることも起こるかもしれません。それが、例えば15年後に起こったとして、そのとき、インプラントメーカーがつぶれており、そのパーツが買えなかったらどうでしょうか。また、日進月歩のインプラント学にアップツーデイトしていくためには、インプラントメーカーも研究開発が不可欠です。そうすると、会社の規模や売り上げ、経営状況などでもしっかりしたメーカーを選ぶ必要があると感じました。

4、についてです。インプラント学を日々勉強し、最新の知識と技術を身につけていこうとする場合、日本の歯科医師の卒前卒後教育は、かなり遅れております。従って、そうした環境を以下に整えるかと言うのもとても大事な課題です。

  先日、ブレードインプラントといって、20-30年前によく行われたインプラントを他院にて4-5年前にいれられ、それと連結した天然歯が歯周病でぐらぐらになって 治療をした患者さんがおりましたが、こうしたことは、専門医制度の整った欧米では、少ないのではないでしょうか。

私見ですが、以上の3点を満たすメーカーとなると、おそらく5-6社程度になってしまうのではないでしょうか。当院では、さらに必要な手術回数や使いやすさも踏まえて ストローマン社製のインプラントのみを使用しております。

このストローマン社のユニークなところは、お互いに全く独立した関係にあるITIという 世界最大の民間インプラント研究機関と連携しているところです。

わたしもこのITIのメンバーとなっており、この学術団体が定期的に更新する情報を勉強しながら、また、ITIのトリートメントガイドに沿ってインプラント治療を行っております。

ITIのインプラントよりも、単価が安いインプラントは、たくさんあります。

しかし、インプラント治療が、高いか安いかと言う問題は、それがどのくらい長持ちしたかを抜きに語るのは全く無意味だと思います。初期の治療費が1本当たり5万円安く出来ても、それが長持ちしなければ結局その治療費は無駄になってしまうのです。

もちろん、長持ちさせるためには、歯科医院でのメンテナンス(定期的なチェックとクリーニング)は必要不可欠です。インプラントは、歯周病になるわけですが、その性質上、天然歯のようにすぐぐらぐらしません。インプラントがぐらぐらしていたら、まず、そのインプラントは撤去するしかないと思ってもよいでしょう。

従って、インプラント治療を考えているみなさんに私からアドバイスするとしたら、 インプラント治療をどこで受けるかは、当初支払うインプラント治療費だけで考えないことです。

さきほどインプラントも歯周病になるといいましたが、歯周病が元で歯が抜けインプラントになった方は、10年後に30-40%のインプラントが歯周病になるのに対し、 むし歯が原因でインプラントになった方は、10年後で5%程度しかインプラント歯周炎にならない報告もあります。従って、歯周病をきちんと治してからインプラント治療をしなければなりません。

あなたが、選ぼうとしている歯科医院は、歯周病治療で信頼に足りますか?また、外科手術や補綴・かみあわせ治療に信頼できますか?そして、きちんとしたメインテナンスシステムが整っていますか?

そうしたすべてを考慮し、インプラント治療や、その費用を捉えていただけると良いと思います。

― 銀座眼科の医療過誤ニュースから、ひらめいた医療安全についてのアイデア ―

きょうのニュースでこの事件を聞きました。3年間も滅菌をしない器具を用いた手術により67人の患者さんが術後感染したというニュースです。
医療機関が、滅菌しない器具を使うというのは論外ですが、こうした大きな医療過誤・医療ミスの水面下には、無数のひやっとした事例やはっとした事例が潜んでいるといわれています。そして、こうした事例をヒアリハットと呼びます。
日本の全ての医療機関では、医療安全のための研修や報告が義務づけられました。
人はミスを犯すものだとの前提に立ち、常日頃起こっているヒハリハットを報告し合い、スタッフ全員で共有することで大きな事故を未然に防ごうとするものですが、当院では、スタッフみずからが、積極的にヒハリハット報告をしている状況ではありませんでした。
どうしたらいいか悩んでいたのですが、この事件を聞いてひらめいたのは、ヒアリハット報告書を記載したら100円をあげるというインセンティブをつけたらどうかというものです。
まだ、実現していませんが、書類1枚100円ならスタッフも積極的に書いてくれるのではないかと思うのです。
早速、院内ミーティングでとりあげまず、実行してみようと思います。

不景気につける薬

―派遣切り・リストラの世の中だからこそ、
自院のスタッフを信頼して地域1番を―

サブプライムローンに始まった世界的な金融不安によって、輸出に頼る日本の産業は大打撃を受け、派遣切りや、正社員のリストラなどが連日、ニュースを賑わしています。
受注が減り、円高が進むことによって、利益が大幅に減少したことや、終身雇用制が日本において崩れかかっていることもあり、労働者のクビが切られています。
私は、昨年2008年7月に義父より開設者を継承すると同時に、医院を新築いたしました。
そこで、当院の社是ともいうべき、カンパニースピリッツを以下のように決めました。

当院のカンパニースピリッツ

「質の高い医療と心に響くコミュニケーションを通して、
トライアングルサティスファクションを実現し続ける」

★ トライアングルサティスファクション;患者・医療者(歯科医院)・院外関係者の3者が満足すること

すべての会社は、自分だけが儲かればいい訳ではありません。それを取り巻く全ての会社がみんな満足する、そうした関係でありたいものです。

当院は、医療機関であり、まず、第一に患者利益を考えてきました。
平成10年にこちらで義父ととともに診療を開始し、予防や、歯周病治療、補綴・咬合(かみあわせ)治療の面で大きく、知識や技術を磨いてきましたし、歯科衛生士を養成し、彼女たちをビジネスパートナーとすることで、現在では、メンテナンス患者さんは、1500人を超えるようになっています。

うれしいことに、この4月3人目の歯科医衛生士を迎えることが出来ます。大変、気持ちのきれいな素晴らしい女性です。

ここ5年ほどは、毎年、茨城県歯科医学会で発表することを自分のノルマとし、また、各学会の認定医・専門医を取得するため研鑽を積んでいます。

昨年7月に院長となってから特に強く感じていることは、スタッフの大切さです。
わたしのもつ全エネルギーをかけ、より多くの患者さんに利益をもたらすためには、歯科医院の全スタッフ、受付・歯科助手・歯科衛生士・私以外の歯科医師がそれぞれの役割を果たし続けなければなりません。
提供する医療の質を落とさず、より多くの患者さんを拝見できるように常に努力している当院では、細部にこだわり、必然、スタッフにもレベルの高いことを求めてきました。

しかし、福利厚生や給与の面で他院と比べて大きく差があるかといわれれば、前院長の時代は胸を張れる状態ではありませんでした。
そこで、私が院長になって医院を経営していく目的として、社是として、先ほどのカンパニースピリッツを定めたわけです。

すなわち、患者利益を第一に考え、医療の質を落とすことなく、私を含めた全従業員の物心両面の幸福を追求するというものです。
そうしたことを推し進めていくために、私自身を週休二日から週休一日とし、まず、院長が一番働き、率先垂範することとしました。

そして、備品を大切にする・電気をまめに消すなど経費を最小に抑えながら、なるべくキャンセルを減らし、患者さんをきちんと治療していくことで、適正な利益を得、スタッフだけでなく、地域や国のためにも微力ながら貢献したいと思っています。

ボーナスの時期には、スタッフ全員に募金を募り、その額と同じ額を歯科医院としてのせたものを寄付できればと考えています。
医師・歯科医師というと儲かる仕事と思うかもしれません。しかし、どのように医療が発達しようとも、それを提供するのは、医療スタッフであり、その育成と待遇の改善なしに地域に貢献し続ける医院作りは出来ないと考えています。

私は、労働力をモノとし、給与の分だけ働く現在の風潮を危惧しています。
派遣切り、リストラなど非常に冷たい響きがする言葉ですよね。
医療においては、特に、スタッフは宝だと思っています。そうした観点から、私は、自分のスタッフと家族のような関係が築ければいいなと思っています。多少の意見の相違はあっても、協力しあえる、そうした関係でありたいと思いスタッフの誕生日には、昼休みにささやかなケーキを囲んでHAPPY BIRTHDAYを歌っています。また、この4月には、歓送迎会を兼ねて運動会(バトミントン大会)を行います。

こういうご時勢だからこそ、患者さんによい医療を提供するという目的のもとにスタッフとともに努力し、助け合い、成果を分かち合う歯科医院を作っていきたいと思っています。

そして、提供する医療の面でも、中にいるスタッフの働き甲斐や、給与福利厚生などの面でも、行方市1位を目指し、そしてその先には、鹿嶋・神栖・潮来といった鹿行地区1位、そしてそして、茨城1位、日本1位と夢は大きく頑張っていきます。

治療は誰が決めるの?

先日、お子さんを定期的に連れてきていたお母さんから質問をうけました。

「左下の奥歯2本(よく見ると6歳臼歯と12歳臼歯)がないんだけど、
ブリッジをかけるのにその両脇(右下5と8)だけでなく、糸切り歯の後ろも削りますとのことで、まったくきれいな白い歯を削られてしまった。しかも保険では、銀歯になってしまうとのこと。これってどう思います?」

確かに保険治療のルールでも、力学的な観点からもブリッジで治療するなら、糸切り歯の後ろも削った判断は間違えなかったのですが、
やはり、最大の問題点は、削る前にきちんとした相談が担当医となされていなかったことだと思いました。
一般的に欠損を補う方法は、ブリッジのほかにも、インプラントや義歯がありますし、この方の場合は、親知らずの移植も選択肢でした。
そして、それぞれの治療選択肢には、それにかかる期間や費用、それによって治療したものがどのくらいもつか(予後)があります。
したがって、歯科医師は、術前に治療選択肢および、その治療がどんな治療か、また、それにかかる期間・費用・予後について公平に伝える必要があります。
そして、それを受けて患者さんが治療を決定するのです。
命にかかわるガンでさえ、たとえば乳がんのようなガンでは、例え生存率が少し落ちても乳房温存術を選択する患者さんがいる現在では、歯科では、このステップは、必ず必要です。これがいわゆる「インフォームチョイス」です。
当院では、全ての患者さんでこのステップを踏んでいます。
それが医療の基本と信じているからです。
こうした説明が、医療のすみずみまでいきわたることを願っています。

1. 衛生士ってすごい! 2009.1.15

歯科衛生士の主な仕事のひとつにメンテナンス(定期的なチェックとクリーニング)があります。その目的は、むし歯の予防や歯周病の予防・進行停止などがありますが、もうひとつ大きな目的があります。

それは、むし歯でも歯周病でも、再発したときに早期発見し、早期治療することです。

今日も、そうして衛生士さんが見つけてくれたむし歯を治療するために患者さんがいらっしゃいました。

「右上の6番の近心にあります」と申し送りがあったので、そこを見るとむし歯がどこかわかりません。担当衛生士を呼んで、聞いてみると、「ここです」と場所を教えてくれました。そこは、歯と歯の間のプラークに隠された小さな穴でした。
こういうことは、私のところでは、よくあることです。

つまり、歯科衛生士のほうが、歯科医師の私よりむし歯を見つめる目は鋭いということです。
これはどういうことかというと、衛生士は、30分近く全ての歯を機械で清掃し、口中のプラークをとったあとに、すみずみまでむし歯があるかを診査します。

つまり、30-40分かけてむし歯をチェックするわけです。
どんな丁寧な歯科医師がむし歯をチェックしてもせいぜい5分でしょう。
ですから必然的に衛生士のほうが細かいむし歯を見つけてくれるのです。

そういうことから最近では、初診で「むし歯があるか見てください」といわれた患者さんには、大きなむし歯は、レントゲンや私の診査で見つけられますが、小さいむし歯は、衛生士にお口全体をクリーニングしてもらってから衛生士に見てもらいますねというようにしています。
衛生士ってすごい! つくづくそう思います。

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