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むし歯の治療

虫歯の治療

むし歯予防のうそ・ほんとにあるように、むし歯をむし歯菌による脱灰にだけ注目してその診断や治療を考えても現実にはあまりむし歯が減らないことがわかっています。

現在、むし歯学とも訳されるカリオロジーという学問により、疾患の発生過程や、予防法、治療法が体系的にまとめられています。

カリオロジーについて

ここでは、カリオロジーについて、みなさんと一緒に学んでいきましょう。

下図をご覧ください。

むし歯とは脱灰と再石灰化を揺れ動くプロセス

私たちが食事をすると、むし歯菌が歯を溶かす脱灰が起こります。脱灰とは、歯の中のミネラル(カルシウムやリン)が唾液中に溶け出すことをいいます。しかし、溶け出したミネラルは、唾液の作用によりまた歯に戻されています。この修復機構を再石灰化といいます。

お口の中では、食事のたびにこの脱灰と再石灰化が繰り返されています。

たとえば、甘い物好きで歯ブラシもあまりしないけれどむし歯が出来ない人は、この図でいうと、ミネラル(図中の青マルや緑マル)が唾液中へ100個溶け出しても、唾液の作用が強く、唾液から歯質へ200個戻っているかもしれません。

反対に、間食などほとんどせず、歯ブラシも丁寧にしているのにむし歯になりやすい人は、ミネラルは10個しか唾液中に溶け出していなくても、唾液中から歯質へは5個しか戻らないのかもしれません。

つまり、下図のように脱灰が多くなれば、むし歯になりやすいハイリスクの状態といえますし、再石灰化が多くなれば、リスクは低くなります。

脱灰と再石灰化のパラんすが崩れると虫歯が進む

そして、脱灰と再石灰化を左右する因子は、下図のように多因子であることもわかっています。

脱灰と再石灰化のパラんすが崩れると虫歯が進む2

つまり、さまざまな要因が重なって脱灰>再石灰化となるとむし歯が進行していくわけです。

最初は、歯面が白濁し、やがて穴になっていきます。

虫歯の進行過程

いったん穴になってしまうと、もう削ってつめるしかありません。

ところで、みなさんはむし歯の治療といって、削って詰める以外に何か思いつきますか?

次に、削って詰めることについて考えて見ましょう。下図を見てください。

削ってつめる

ともに生活習慣に大きく影響される糖尿病と比較して考えて見ます。

糖尿病は重症化すると、末梢の微小血管の循環障害で組織が壊死してしまいます。指先が壊死したりすると、壊死が指先から足首へとすすまないように足を切断することになります。足を切断すると、そのままでは歩けませんので、義足や車椅子を利用することになります。

むし歯で削って詰めることは、実は、これとまったく同じなのです。

放っておくとむし歯が進行してどんどん歯が溶けるので、削ってむし歯をとります。そのままでは、食事がしにくいので、つめものをしたり、義歯をいれたりします。

さて、みなさんが糖尿病患者だったとして、足が切断となるまで放置するでしょうか?

お医者さんも当然そうならないように、血液検査を行い、リスクやほかの因子を検討し、体質改善・生活改善を念頭においた指導・治療がなされます。

ところが、むし歯においては、歯科医院においてさえその原因についてともに考えることは極めて稀なのではないでしょうか。つめることだけでは、むし歯の原因はとれません。そこで、当院では、内科医が糖尿病患者さんにまず、問診をし、血液検査をするように、問診の後、唾液検査をしていただいています。これは血液検査とは違い、痛みはまったくありません。費用は、自費で3000円+税となります。この検査により、むし歯菌がたくさんお口の中にいるかや唾液の再石灰化の力のよしあしがわかります。そして、たとえば、むし歯菌がたくさんいれば、悪玉ミュータンス菌を善玉ミュータンス菌に変える治療が行えます。

虫歯と虫歯の穴の治療は違う

以上のように、当院ではむし歯の治療として、従来の削って詰める治療、すなわち、むし歯の穴の治療と見えないリスクを調べ、お口の中を脱灰<再石灰化にするむし歯本来の治療、リスクコントロールの治療を分けて考えています。

繰り返しますが、前者は単に機能回復の治療であり、後者こそがこれからむし歯を作らないために必要なむし歯本来の治療といえます。

それでは、むし歯(本来)の治療とむし歯の穴の治療について別々に見ていきましょう。

まずは、むし歯の治療から。下図を見てください。

リスクコントロール

前述のように、むし歯のかかりやすさ(リスク)は目に見えないため、唾液検査および問診、さらには、食生活表というアンケート用紙に記入していただいたものを参考に、私たちスタッフが、ミーティングを行い、その方の年齢や家庭環境に応じた予防プログラムの原案を作成します。

その後、担当衛生士がカウンセリングを行い、その方が生活で実現可能なホームケアの目標を決定し、同時に診療所におけるプロケアを決定し実行していきます。

次に、むし歯の穴の治療について見ていきましょう。

08.jpg

上図のように、むし歯の穴の治療の原則は、大きく2つあります。

1:穴になったら削ること

2:できるだけむし歯の部分だけとって、そこにつめること

この2つです。下図をみてください。

虫歯の穴の治療

左のようなむし歯があったとき、詰め方としては、2通りあります。

右上のインレーという銀歯のつめものと、コンポジットレジンという白いつめものの2種類です。

インレーの削り方の原則は、実に100年以上昔、まだ、むし歯になった歯の治療法が抜歯しかなかったころ、むし歯になっても歯を抜かず、詰めて直すことを開発したG.V.BLACK先生により考えられました。

当時は、詰め物を歯にくっつけるセメントもよいものがなかったため、健全な歯質も便宜的に削ったり、また、むし歯になりやすい溝は予防的に削ったりしてインレーをいれていました。

しかし、現在は、接着剤の進化により、ほぼ虫歯の部分だけを削って詰めることができるようになっています。

また、硬い健全歯質を削らないため、むし歯の除去は、「キーン」とあのいやな音のするドリルを使わなくても、スプーンエキスカという図のような小さなスプーンでほぼ取り除くことができます。

先生によっては、奥歯は強度的に劣るという意見もありますが、現在は、奥歯用のレジンも出来ており、1回で治療が終わり、安く、白くてきれいで、成功率にかわりがないことから当院では、むし歯の充填のほぼ98%はコンポジットレジンを使用しています。尚、日本歯科保存学会の治療ガイドラインでもインレーは推奨されていません。

最後に、むし歯の穴の治療と、虫歯の治療を同時に行った症例を紹介します。

患者さんは、中学校2年生。

再石灰化治療

図の上段が初診時。下段が2週間後です。

上段の写真をよく見てください。歯の根元が白濁しています。むし歯のなりかけです。でも、まだ元に戻る可能性があります。そこで、唾液検査や食生活表を記入していただき、リスクコントロールのためのホームケアを決めました。

また、プロケアとしては、PMTCと再石灰化を促進するフッ化物塗布を週2回×2週間行いました。

その結果、下段のように白濁していた歯質は、元の色に戻り穴になる危険を回避できました。

その後、前歯で、すでに穴のところだけ、コンポジットレジンによって充填しています。

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